ルチア―願いを叶える者


『すまなかった…花鳴…』

『なぜ謝るのです?』

『俺は…お前が愛した世界を…っ!?』


お母さんはお父さんの言葉を遮るようにお父さんの唇に人差し指をあてる。


『謝るのは私の方。あなたを一人にしてごめんなさい。それから…』


お母さんは私を見つめる。


『…花音…。あなたに重い宿命を与えてしまった。辛かったでしょう。ごめんなさい…』


お母さんは私の頬を撫でる。


私は首を横に振った。


「私は、生まれてきて良かった。この世界に来て、アルに会えたから…」


ルチアにならなかったら、私はずっと一人だった。


アルにも出会えなかったから…


『…そう…。あなたも愛する人が出来たのね…』


お母さんは嬉しそうに笑う。


「うん…。だから、私は後悔してないよ…」

『…ありがとう…花音…。私の愛しい子…』


お母さんは私を強く抱きしめてくれる。


『花鳴、我達の…だろう?』


今度はお父さんがお母さんと私を抱きしめる。


今までの空白を埋めるように何度も…









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