ルチア―願いを叶える者
「誰に言ってるんです、ロイ。まさかとは思いますが…俺にではないですよね?」
アルは不敵に笑いながら剣を振り上げる。
その剣先は迷う事なく私に向けられている。
「…っ…お前にだ!!」
―ガキンッ
ロイは攻撃を受け止めながら答える。
「ハッ…失笑しますよ。俺が…彼女を鳴かせるのは夜だけです」
「…アル!!?」
な、なな何を言ってるの!?
話がすり変わってない!?
「おいおい、お前達ふざけてる場合か!!」
シェスがため息をつく。
「失礼いたしました王子」
「わりぃわりぃ」
なんか……
「ふふっ……」
なんでだろう…
私、今恐い目に合ってるはずなのに…
不思議と安心感がある。
この人達が一緒なら、大丈夫…
そう思える…