ルチア―願いを叶える者
「我ハ…我ハ……」
触れた場所からとてつもない悲しみが流れ込んでくる。
―我ハ一人…
―何故我ヲ置イテ逝ッタノダ…?
―愛シテイタノニ…
愛シテイルノニ…
「…ごめんね…。ずっと一人で辛い思いをしてたんだね…」
そのまま死神を抱きしめる。
―バチバチバチッ
「っ…」
体が痛い…
でも、この人が受けた痛みに比べたら…
こんなもの、どうってことない。
「背負ってくれてありがとう。あなたがいたから、お父さんは歩き出せたの…」
悲しみや苦しみを死神が負ってくれたから…
あの人は今の幸せを手に入れる事が出来た。
あなたがいたから…