ルチア―願いを叶える者


「お前が望んだのだろう!?おとなしく我の中にいればいいものを!!」


ルリ…
一体誰に話し掛けてるの?


―ゾクッ

「っ!!?」



なんだろう…
この感じ…


冷たくて、でもねっとりと体に纏わり付く不快感…


「誰…なの……?」


私はこの感じをどこかで感じた事がある。


一体どこで……



「…我が分からぬか、ルチアよ…」


今までのルリの口調とは違う…


「ルリ…?」

「くくっ…我はお前を知っているぞ。そして、お前も我を知っている…」

「何を…言って……」



―ドクンッ


心臓が大きく脈を打つ。


そう…
我は知っている…


「花音、どうしました!?」

「え……?」

「体が震えています」


アルが私の肩を抱く。



温かい……
冷え切っていた体がふいに温かくなる。








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