ルチア―願いを叶える者


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謁見を終え、部屋に戻るとすぐに眠ってしまった。


次に目が覚めた時には、窓から月が顔を出していた。


「…体が怠いな……」


頭も重いし、気持ち悪い。なんでかな…


風邪…じゃないよね、熱もなさそうだし…
むしろ寒いくらい。


もしかして…力を使ったせい…?


「…っ…少し風にあたろう」


嫌な考えを振り払うように私は立ち上がる。


「っ…」


立ちくらみがした。


ますます嫌な考えが頭を支配する。


…私…本当にどうしたんだろう…。少し疲れてるだけだよね?


「…大丈夫…大丈夫だよ…」


まだ大丈夫…
そう自分に言い聞かせ、部屋を出た。









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