ルチア―願いを叶える者


「グアアアッ!!!」

「あっ…レイズ王子!!」


―もう…消えてしまいたい…


あ…また……
また声が…………


「花音!!!」

「あっ……」


―グイッ


アルが物凄い力で私を引っ張る。


―ダンッ!!!


今さっきまで私がいた所にツルがめり込んでいた。



「ぼーっとしてる場合じゃありませんよ!!」

「ご、ごめっ……」


―俺は…生きる価値なんて…


……レイズ王子…
それはレイズ王子様の心の声…?


だとしたら…


「…アル、レイズ王子を助けなきゃ」

「…どういう意味です?」




レイズ王子は、ルリの力を引き寄せてしまったのかも…


「レイズ王子からルリの力を感じるの。レイズ王子はルリの力に捕われてる…」


「あのルチアの力ですね…。俺は何をすれば?」

「うん、私にレイズ王子と話す時間を」

「了解しました」


アルは剣を構えて私を背に庇う。









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