ルチア―願いを叶える者
「アレ…とは?」
「嘘!?本気で知らないの!?人生の半分…いや、人生損してるよ!!」
「はぁ。だから何なんです?」
アルは呆れたように私を見る。
「あのね!流星は流れて消えるまでに願い事を3回言えれば願いが叶うって言われてるんだよ!!」
「…おまじない…ですか」
何故かアルはまた呆れたような目で私を見る。
「むっ…おまじないでも叶うかもしれないじゃん…」
「所詮おまじない程度ですよ」
「夢が無いなぁ〜。いつまでも子供のように綺麗な心でなきゃ…おじ…」
「ふふっ…。おじ…なんです?」
ひゃああああ!!!
目が笑ってない!!
「さ、さぁ流星探そっと…」
「花音…あなたという人は…」
アルの小言を無視して、私は空を見上げる。
すると……
―キラッ
「あっ!!!?」
「何です、大声上げて」
「今流星が!!」
流れた!!!
あー感動して願うの忘れてたぁ!!
「そんな都合良く…あ」
アルは空を見上げて目を見開く。
私も顔を上げると、同じ流星を見る事が出来た。
アルが幸せになりますように。
アルが幸せになりますように。
アルが幸せになりますように!!
なんとか言い終えた。
叶いますように…
私の願いを叶えて下さい。お願い!!
そう強く強く願った。