ルチア―願いを叶える者
「ね、アルは何を…」
隣のアルを見上げると…
「…………………ように…」
アルは静かに目をつぶり、何かを願っていた。
「おまじないなんて信じないって言ったのに…」
「信じないとは言ってませんよ。おまじないをするくらいたまにはいいかと思ったんです」
あんなに真剣に願ってたのに…
「何を願ったの?」
「さぁ?そんなことより、花音こそ何を願ったんです?」
私が聞いたのに!!
うまくごまかされた!?
「秘密!!」
「俺に秘密を作る気ですか。はぁ、そうですか…」
「なっ!!アルだって私にっ…」
「俺は良いんですよ。秘密は多い方が暴きがいがあるでしょう?」
―ジリッ
アルが私ににじり寄る。
えっ…何!?
なんかアルの目が変わった気が……
「もっと…俺に興味を持ってほしいものですね…」
「わわっ…」
―トサッ
アルが優しい手つきで私の体を押し倒した。
背中に柔らかい草の感触を感じた。