ルチア―願いを叶える者


―――――――――――
―――――――――
―――――――


―帝国ガルディア


「…あれが…帝国ガルディア…」



八日間かけてたどり着いたのは、要塞のような国だった。



国境には何千もの兵。遠くに見えるのはおそらく帝国ガルディアの城。


それもまるで山の頂上に君臨するかのように高い場所にある。


「あれでは弓を外壁から射かけるのは無理だな」


アルは睨みつけるように遠くて高い城を見つめる。


「おまけに、敵兵からは射放題っつうわけか」


ロイの言う通りだ。
私達の矢は届かないけれど、帝国ガルディアの兵達は上から的確に私達を狙える。


「矢の雨に兵の数も半数以上失いかねませんね」


帝国ガルディアという脅威を思い知らされる。


「こういうのはどうでしょう」


アルは地図を広げ、一点を指差す。


「帝国ガルディアの城の反対側は海に面しています」


見てみると、ガルディアは正面から見れば山のようだが、後ろから見れば絶壁。


「そこからなら、誰も侵入するなど考えつかないでしょう」

「だが、この絶壁をどうやって上るんだ?」

「地下通路を使うんです」

地下通路!?
そんなものがあの城の下に!?


思わず遠くにそびえ立つ城を見遣る。


「先日、密偵が戻り地下通路への道を見つけました。そこからなら難無く中へ侵入出来ます」

「だが、地下通路はあいつ等の非常口みてぇなもんだろ?見張りがいないわけねぇ」


ロイの言葉に、アルは首を横に振った。


「この地下通路は、潮の影響を強く受けてしまうのです。潮が満ちれば、たちまち地下通路は塞がり、その後すぐに潮が引き、海へと引き込まれる。なので、城の創設時から一、二回程しか使われていません」

「なら、俺達は大丈夫なのか?この兵の人数、渡りきるまでに潮が満ちないとも限らない」

「一度潮が満ちてからまた潮が満ちるまでの時間は約1時間です。侵入口まではざっと250メートル。問題はないでしょう」


その言葉に皆がそれぞれ頷く。


「決定だな。少しばかり急ぐ事になるが良い策だ。船を用意しろ!!次の潮の引きを待つ!!」

「はっ!!!」


シェスの言葉に兵達が準備に取り掛かる。


それから月が空に上った頃、私達は絶壁の前で潮が引くのを待っていた。









< 377 / 403 >

この作品をシェア

pagetop