ルチア―願いを叶える者
―ガキンッ
「やぁーーっ!!!」
「ふんっ!!」
―ガキンッ
侵入してそうそう乱闘が始まった。
アルやシェス、ロイは私を庇いながら前へと進む。
「王を探せ!!」
皆で上を目指しながら前へと進む。
ルリ…
私はあなたを……
あなたを終わらせに来た。あなたが幸せになる為に…
だから私はあなたを失うのだとしても…
大切な人…
失うのは嫌……
でも……
「はぁあああっ!!!」
考え事をしていたせいか、私に斬りかかる兵に気づかなかった。
銀の刃が私に真っ逆さまに下りてくる。
「っ!!!!」
声が出なかった。
もう駄目だと諦めとっさに目を閉じると…
―ザシュッ!!!
「ぎゃああああっ!!」
聞こえてきたのは私でない誰かの悲鳴。
恐る恐る目を開けると…
「花音!!怪我はありませんか!!?」
「アル……?」
放心状態でアルを見上げる。
「心配かけさせないで下さい!!ここは戦場なんですよ!!?」
本当に私……
今…死んでたかもしれなかった……
ガタガタと体が震える。
「花音…すみません。あなたは戦争など程遠い国にいたのでしたね。恐かったでしょう…」
アルは優しく私を抱きしめる。
「あなたを守ります。必ず死なせない。だから立って下さい。生きる為に、俺達の戦いを終わらせる為に」
生きる為に…
戦いを…終わらせる為に…
「うん。そうだね…。今は、立ち止まってる暇なんてない」
アルが私の手を引く。
「行きましょう」
「うん!!!」
そうだ…私は守るんだ。
あの時、最初にこの旅を決意したあの日…
あの時の気持ちを忘れちゃいけない。
ベレスレリア…
私の大切な人達の世界。
その未来を守る為に、私は強く揺るがない想いで…
最後までこの世界を愛する。