ルチア―願いを叶える者
「死にかけた光が、良く喚く」
「あなたの目は死んでいるようですね」
アルが私を背に庇い、剣を構える。
「花音の光は強くて、優しい、不滅の光。それが見えないなんて…不敏ですね」
アルは不敵に笑う。
「俺はシェス・ルアーネ。王となり、太平の世界を作る者だ。故に、お前達はその妨げになる。問答無用でとらせてもらうぞ」
シェスの言葉に、悪魔とマナロフ王は笑みを浮かべる。
「同じだ…あの時と同じ。やっと決着がつけられる。100年越しの決着を!!!」
マナロフ王から狂気に似たようなものを感じた。
「花音、準備できてるか?」
ロイが私に耳打ちする。
私は静かに頷いた。
私はマナロフの力を奪わなくてはならない。
静かに目を閉じた。
その時…
『ルリ、あのルチアに力を使わせるな』
マナロフ王の声が広場に響き渡った。
それを聞いた瞬間、ルリの体がビクンッと震えた。