ルチア―願いを叶える者


「お前は花音を守れ」

「俺達は魔物をやる」


シェスとロイの言葉にアルは頷く。


「グギャギャーッ!!」

「凍れ!!!」

―パキパキパキ…パキンッ


シェスの剣から放たれた冷気が、魔物を一気に凍らせる。



「はぁぁっ!!!!」


―ビュォォッ!!!


「グギャギャーッ!!」


ロイの剣から放たれた霧風が、魔物を吹き飛ばし、切り刻む。



「あちらは任せて、俺達は悪魔をなんとかしましょう」

「うん!!」


私は悪魔を見据える。


『オ前ニ何ガ出来ルノダ?弱キ人間ノ分際デ』


「悪魔、私は最後までこの世界を守る。あなたの好きにはさせない」


私はアルの手を握りしめる。


「アル、私の力をあなたに…」

「花音?」

「私の力で、悪魔を倒して…アル」


私には、力を与えられる。ルカが与えた力だけでは勝てない。


でも私の力も合わされば…


「ルチアの力よ…」


悪魔を倒せるだけの力を、アルに…


「闇を切り裂く力を与えて!!!」


―パァアアアアッ


私から光が放たれた。


それはアルの剣に宿り、金色の光を放つ。


―ドクンッ

「あぁっ…」


視界が霞む…
でもまだ…まだ駄目!!


お願い…
今死ぬわけにはいかないの!!


なのに……
命が終わりを告げるかのように視界が閉ざされていく…









< 395 / 403 >

この作品をシェア

pagetop