ルチア―願いを叶える者
「花音っ…しっかりしなさい!!」
「ア…ル…」
アルの声が遠い…
まだ…終われないのに…
「アル…悪魔を…」
「っ…わかりました。それまで持ちこたえて下さい」
アルは泣きそうになりながら剣を構え直した。
「闇を…切り裂く…力…」
私はアルの光輝く剣を見つめる。
どうか……
この悲しみを終わらせて…
その光が、希望となりますように…
「はぁあああっ!!!!」
『ソンナモノデ我ガ倒セルハズ…』
―キィィィンッ
耳鳴りがする。
アルが振り下ろした光の刃は、閃光のようにほどばしり、悪魔を切り裂く。
『馬鹿ナ…』
その光に溶けるように悪魔の体が消えていく。
『浄化ノ…光…ダト…?』
「人間は、あなたが思っているほど弱くありませんよ。想いが強ければ強いほど、力を発揮できる」
『想イ…ソンナモノニ負ケタトイウノカ…。コレモマタ…一興……』
悪魔はそう言い残し、消えていった。
それと同時に、魔物達も姿を消す。
残されたのは、私達三人だった。