ルチア―願いを叶える者
『100年に一度、神は人に願いを叶える力を与える』
神様って……
なんか夢物語を聞いてるみたい。
スケールのでかい話に私は聞くだけで精一杯だ。
『自分の命の花を散らし、それと引き換えにあらゆる願いを叶える』
命を犠牲に…あらゆる願いを……?
『選ばれた無垢なる子、ルチアを異世界へと召喚し、神はルチアの選択の結末を見届けるだろう…』
まるで何かの予言のように語られる。
全く想像も出来ない話が頭の中にこだましてる…
『僕はそのルチアだった』
「…………………え…?」
ルカがルチア?
ルカはどんな願いも叶えられるって事…?
『僕はルチアに選ばれ、今度は選ぶ番になった』
「どういう事?ルカ、全然分からないよ…」
そもそもルチアって人が選ぶものなの?
『僕がね、君をルチアに選ぶんだ』
「わ、私をルチアに!?どうして!?」
私、そんなすごい力もらったって…
むしろ怖い。
どんな願いも叶えられるなんて…