ルチア―願いを叶える者


『100年に一度、神は人に願いを叶える力を与える』

神様って……
なんか夢物語を聞いてるみたい。


スケールのでかい話に私は聞くだけで精一杯だ。


『自分の命の花を散らし、それと引き換えにあらゆる願いを叶える』


命を犠牲に…あらゆる願いを……?


『選ばれた無垢なる子、ルチアを異世界へと召喚し、神はルチアの選択の結末を見届けるだろう…』



まるで何かの予言のように語られる。


全く想像も出来ない話が頭の中にこだましてる…


『僕はそのルチアだった』

「…………………え…?」


ルカがルチア?

ルカはどんな願いも叶えられるって事…?


『僕はルチアに選ばれ、今度は選ぶ番になった』

「どういう事?ルカ、全然分からないよ…」



そもそもルチアって人が選ぶものなの?


『僕がね、君をルチアに選ぶんだ』

「わ、私をルチアに!?どうして!?」


私、そんなすごい力もらったって…


むしろ怖い。
どんな願いも叶えられるなんて…










< 4 / 403 >

この作品をシェア

pagetop