ルチア―願いを叶える者
「久しぶりだな、花音。不自由してないか?」
「私は全然!!それよりシェスが心配だよ…」
自分の事で大変なはずなのに…
どうして人の心配ばかりなの?
「俺は大丈夫に決まってるだろ?心配かけたな」
―ポンポン
優しく頭を撫でられる。
大丈夫なんて嘘…
そんな辛い顔して、無理に笑って…
まるで私と同じ。
それ以上かもしれない。
シェスの笑顔は、私が辛い、苦しいって気持ちを隠すために作った笑顔にそっくりだ…
「シェス、何か進展はあった?」
あえてストレートに言おう。私もあいまいに聞けば、シェスならきっとごまかしてしまう。
自分の苦しいっていう気持ちに…
それがどれだけ辛いか、苦しいのかを知ってるから…