ルチア―願いを叶える者


「こんな夜更けに、どうしたんです?」

「!!!!」


突然聞こえた声に驚いて振り返ると…


「アル!!!」


アルがいた。


「花音、城の中だからと安心しないで下さい。あなたは女の身、もっと危機感をもってもらいたいものですね」

「ムッ…わかってるよ!!」

「わかってないからここにいるんでしょう?全く…でも…」


ん…?
でも…………?


「あなたの歌を聞けました」

「あっ…き、聞いてたの!?」


は、恥ずかしい!!!
上手なものでもないのに…
これならカラオケで特訓してくれば良かったぁ!!!


「あなたには、歌の才能はあるようですね。歌の才能は」

「えっ…あ、ありがとう…」


ほ、褒められた!!!?


「……なんで、いつもみたいに突っ掛からないんですか…」

「あ…い、嫌味だったんだ!?」

「…あなたの唯一の長所だと思いますよ」

「むー…」

いつも酷い事ばかり言うんだから!!


でも……








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