ルチア―願いを叶える者
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「…そんな………」
どうしてこんな事に…
早朝、私の元に届いたのは、シェスからの手紙だった。
公にはなっていないが、レイズ王子に王位継承権が移る事になったという。
シェスは私を気遣かって、友人の元へ行く手配をしてくれた。
でも…………
「私は望んでない……。もう迷わないって決めたから…」
どうなっても傍にいる。
だけど……
「今の私には、シェスもアルも幸せに出来ない…」
あの噴水の前で、私は一人空を見上げる。
迷ってる……
唯一、この悲しい運命を変える力……
ルチアの力……
「ルカ…………」
約束した、絶対に使わないと……
もう悲しみを生まないためにも、ルカの幸せのためにも…
だけど……だけど!!!