ルチア―願いを叶える者
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―謁見の間
「ルチア、私に会いたいと申したそうだな」
「はい、お会い出来て良かった…」
深々と頭を下げる。
「シェスにもアルにも秘密とは…。余程の事なのだな」
国王様の言葉に私は頷く。
二人には秘密に…
きっと、責任を感じてしまうから…
「私は、もう一度この国に水の恵をもたらすよう願います」
「ほう!!だがそなたは力を使えないと聞いていたが?」
シェス………
そんなふうに私の事を伝えてたんだ…
この力が悪用されない為に…
本当に優しい人……
「いいえ、国王様。私は力を使えます。ですが、この力を使いたくない理由がありました…」
ルカとの約束……
「ならなおさら、何故使う気になった?」
「それは…………」
もっと早く使うべきだったと今では後悔してる。
「シェスやアルに…笑ってほしいんです…」
「ルチア……」
二人が、幸せになるために、この国を守る。
それが理由……
「二人の守りたいものを私も守りたい。そう気づいたから…」
何と引き換えにしても…
「だから、シェスに王位継承権を返して下さい」
「なるほど…。ルチアをその気にしたのも、シェスの人徳故………。よかろう、約束しよう、奇跡の娘」
良かった……
「ありがとうございます…国王様…」
これでシェスが王位を継げる。民達に認めてもらえる…
あとは…………
願うだけ……………