ルチア―願いを叶える者


「…ルアーネの時からおかしいとは思ったんだ…」


シェス………


「…………………」

「なぁ、アル。このまま花音の優しい嘘を見て見ぬふりなんか出来るほど、俺は薄情になりたくない」


シェス、あなたは薄情なんかじゃないよ…


あなたが情に厚くて、優しい人だから…


だからあなたには知ってほしくなかったのに…


「…例え、花音が嘘をついていたとしても、それは彼女が私達を思いやったからでしょう。それを暴く事は、彼女の思いを仇で返す事と同じです」


アル………

そんな事を思っていてくれたの……?


「だがな、5日も眠り続けてるんだぞ!!これをほって置けと!?」

「…それは…俺だって…。俺だって、止められるものなら止めたいですよ…でも…」


5日…。今度は5日も眠ってたんだ。
私は二人にどれだけ心配をかけていたんだろう…


ずっと私は一人だと思ってた。


私の事を本当に大切に思っている人なんてどこにもいないんだって…


でも……


二人は今、こうして私を気遣かってくれている。


あぁ…
こんなに嬉しい気持ちは初めてだ。


「…二人とも……」


だから伝えよう。
私を思ってくれた、二人の為に…


私の願いを…









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