ルチア―願いを叶える者
「…そうか……」
シェスは考え込むように瞳を閉じた。
シェスに…伝わったかな?
「お前が選んだ道だ、もう追求はしない。だけどな…力を使う事で体に負担がかかるなら…」
「大丈夫!!力を使った後は、疲れがどっと出ちゃうだけなの!だから沢山寝れば問題ないよ!」
そう笑顔で言うと、シェスはホッと息をついた。
シェスに嘘ついた…
胸がチクリと痛んだ。
「そうか、ならいい。ただ、無理はするな?」
「うん、ありがとう」
「それから…」
ん…?
それから……?
「ルアーネ、それからメテアラを救ってくれてありがとな」
シェスは深々と頭を下げる。
「シェ、シェス!!やめて、私は私がしたいようにしただけだよ!!」
「それでも、我が民と親友を救ってくれたんだ。感謝してもしきれない」
シェス………
「私だって、二人には感謝したってしきれないよ!!」
「って…あなた達は二人して何してるんです?」
シェスと二人で頭を下げ合っていると、アルの呆れた声が聞こえた。