ルチア―願いを叶える者
「ち、違うよ!!私はただの花音だよ!」
「ふふっ…私にとっては天使だよ」
―グイッ
「わっ!!」
―ポスッ
ナルに腕を引かれ、そのまま抱きしめられる。
「…姫と出会えたから、私は望みを捨てずにいられたんだよ…」
「ナル…」
「姫がいなければ、私はきっと壊れていたよ」
ナルの手に力が入る。
「違うよ、ナル。私がいなくても、あなたは逃げださなかったはずだよ」
「花音…」
「ナル、ナルはどんなに苦しくたって、あの場所に残っていたじゃない」
ナルは一人で戦ってた。
そんなナルの力になりたいと思った。
それは今も変わらない。
「ナル、どんなに遠い場所にいても、違う国にいても、私はあなたの味方だよ」
だからいつだって頼ってほしい。
あなたが望むなら、私は何度だってあなたを支える。
「それは、私も同じ。あなたの願いは、私が叶えるよ…」
「ナル…ありがとう…」
きっと、私達は同じ。
同じ孤独を知っているからこそ、私達には絆がある。
「また来てくれる?」
「もちろん!」
私達は笑顔でお別れをした。また会いに行こう。
この世界で数少ない私の大切な人に…………