私を見て。
かすかに匂う
甘い苺の匂い━‥











この匂い‥。











「宝━‥?」


俺は宝に前から
抱き締められた
状態で顔を上げた━‥











宝は泣いてた━‥














今しかない‥。












「宝‥。話し聞いてくれるか‥?」





「うん‥。」



宝を幸せに
出来ねぇ理由‥。





「俺病気なんだよね‥。しかも後2ヶ月しか生きれない。」


俺の目からは
涙が静かに
落ちた‥。








「私の人生優に預けます。」



宝が力強く
そう言った‥。







本当に俺で
良いのだろうか‥。










俺は宝と
プールも
花見も
冬休みも
春休みも
夏休みも一緒に
過ごせない。









俺はまだ、
捨てられて
なかった━‥








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