いつか、
関わりを持たない日の終わりを告げたのは
野球部の顧問が担当の授業の時だった。
『──ねぇ、ねぇって!』
暖かい陽射しを浴びて、
うとうとしてた私を力強く揺さぶる腕に
嫌悪を抱きながら「ん゙…?」と返事をした。
『消ゴム!消ゴム貸して!』
ハッとして、顔を向けた方には
あの関わらない様にしてたイカツイ顔が。
「え、あ、なに?消ゴム?」
『そ!アレうちの顧問だし、
真面目に授業受けとかないと
放課後殺されちまうからさ(笑)』
はは…と苦笑いを浮かべて消ゴムを
机の上にそっと置いてあげた。
『ありがと!』
…笑った顔は、可愛いんだ。
不覚にも少しキュンとしてしまい、
それがバレない様に私はそっぽをむいた。