いつか、
授業が終わり、私が深いため息をつくと
さっきの笑顔で隣から話しかけてきた。
『さっきはマジありがと!
助かったわ〜っ。』
消ゴムを私の机の上に置き、
ニコニコと微笑んで自分の机に座る。
「…どーいたしまして。
っていうか、野球部なんだね?」
関わらない様にしてた筈なのに、
自分から話題をふっていた。
『ん?まぁね!いかにもだろ?(笑)』
「ぜんっぜん!どこのヤンキーかと
思ったから!(笑)」
『どこがだよ!(笑)』
「眉毛ないじゃんっ!(笑)」
『お前もだろ?(笑)』
不思議と、話してみると普通の人で
威圧する感じも体格以外にはなかった。
まぁ、大体はそんなもんなんだろうけど。
眉毛がないだなんだと話してたら
教室の端から『おい、森〜!』と
丸坊主の軍団が此方に向かって叫んでいた。
『あ、ならまた話そうや!
つーかアイツの授業の時に
俺が寝てたら起こして(笑)』
「シャーペンで刺してやるよ(笑)」
『うわ、ひっでー(笑)』
そう言い残し、森と呼ばれた隣の人は
坊主軍団の中に走っていった。
森くんか…。
少し緩んだ頬に気付かず、
そのままぼーっとしてると
人影がニヤニヤしながら近付いてきた。