彼女の傷【密フェチ】


ある時、彼女とクラブで踊っていると近くで踊っていた知らない男が聞こえるように言った。



「なんだ傷物じゃねえか?」



僕は、腹が立ち腕にタトゥーを入れたその男をトイレまで呼び出し、殴り便器に何度も顔を突っ込ませた。



その夜の僕らは、ベッドの中で普段よりも更に乱れた。



あまりにも乱れた為に飲み物を取りに冷蔵庫に行こうとした僕に彼女が言った。



「この傷だけどね。前の彼氏につけられたのよ。

それだけ愛してくれた気がする。

残念だけど、事故で死んじゃったけどね。」



僕が、彼女の方を向くと彼女は、汗で光る裸体のままベッドに腰掛け僕を見ていた。



僕は、傷跡がある彼女が好きなのかも知れないと思った。



彼女が好きになったきっかけは、傷跡だったはずだとも思った。



彼女は、続けてこう言った。



「あなたに、私をこれだけ傷つけるくらい愛する事が出来る?

まだ左腕があいてるよ。」



彼女の目は、どこか妖しい光りになっていた。



僕は、飲み物は後だと思い台所に向かった。












終わり

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