恋人のルール(ベリーズカフェバージョン)
涼ちゃんとふたりだけで飲んだ事は一度もない。


会社の飲み会では、涼ちゃん狙いの女子社員に敵わない。


彩乃の席はいつも遠くに離れていた。


「食事は済んだのか?」


ふるふると頭を横に振ると、涼ちゃんはバイトのイケメン君におつまみを頼んでくれた。


「こんな風に飲むのは初めてだな」


涼は冷えたグラスに手を伸ばす。


「うん……」

「どうした?会社と様子が違うな」

「……そんな事ないよ。涼ちゃんと飲むのは初めてだからなんか、変な感じで……」


涼は彩乃が落ち込んでいるのがわかった。


いつもの明るさがない。


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