恋人のルール(ベリーズカフェバージョン)
彩乃はそっとベッドから抜け出すと、服を探した。


服はすぐ近くのイスの上に軽く畳まれて置かれていた。

 
急いで昨日の服を身に着けると、床に落ちてあったバッグを掴み、涼の部屋を後にした。



自分の部屋に入った彩乃はドアを後ろ手に閉めると、涙を拭った。

 
いつの間にか涙が視界を揺らしていた。
 

涼ちゃんはあたしがバージンを捨てたいって言ったから手伝ってくれただけ……。

 
触れ合う肌のぬくもりは、心が通ったかのように気持ち良くて。
 
 
わかっているのに……。


「胸が痛いよ……」


涼ちゃんがあたしを追いかけて、この部屋に来る事はないと思うけど……。


何もなかったように、普通でいられるように、今は時間が欲しい。


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