恋人のルール(ベリーズカフェバージョン)
実家までは電車で約40分。


土曜の早朝に現れた娘に両親は驚いた。


「たまにはいいでしょ?」

 
何かあったのだろうかと、伺うような母に彩乃は笑みを浮かべて言う。


「あとで、ショッピングに行こうよ。里香の結婚式に着るワンピースが欲しいんだ」

 
彩乃は夏に結婚する親友の名前を出す。


「まあ、もう結婚するのね?今年で結婚式に出席するの、2回目じゃない?人のばかり行っていないで、彩乃はどうなの?ひと昔前なら結婚適齢期よ?」


陽斗と付き合っていることは黙っていたから、彩乃に浮いた話はひとつもないと、母は思っている。


「まだまだだよ。仕事が楽しいもん」


結婚したい相手は……。


涼の顔を思い出してしまった。


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