I love you.【更新休止、詳しくは感想ノートへ】
補習授業の始まる前。
私が教室に向かって、階段を登っていると、後ろから声を掛けられた。
「――莉緒奈」
ずっと、ずっと聞きたかった声で。
呼ばれたかった名前を、呼ばれる。
けど、今はもう、未練などない。
いつの間にか、吹っ切ることが出来たのだ。
それは、最近色々なことがあり、考える暇も無かったからかも知れないが、むしろそのおかげで記憶が薄れた。
思い出の詰まった物も捨てた。
……黒澤君も一緒だったけど。
でも、それは証人が欲しかったのだ。
私が、思いを立ちきったという証明を。
私が前に進むという、証明をしてくれる人を。
「……何?」
私はもう平気。
だから、何も怖くない。