I love you.【更新休止、詳しくは感想ノートへ】
「……旦那様、そろそろ」
「あぁ、わかってる。行くぞ」
ドカドカと音を鳴らしながら乱暴に歩くこの親父が。
世界的に有名な、黒澤グループのトップだとは。
「い、行ってらっしゃいませ……」
小さな声は、ドアの閉まる音で消された。
床に横たわったまま、身体が動かない。
なんか、可笑しく思えて思わず笑った。
「下らねぇ…」
「…直人様、」
美樹は痛みに耐えるような顔で、俺の名を呼んだ。
どうしてお前がそんな顔をするのだろう。
俺は立ち上がるが、身体に力が入らず、倒れそうになった。
頭をやられたのか。
「直人様、お座りください。すぐに手当てを……」
俺は、とりあえずソファに座った。