I love you.【更新休止、詳しくは感想ノートへ】
「痛い、ですか?」
「少しな」
消毒液の染み込んだ綿みたいなのを傷口にぽんぽん当てる美樹。
殴られて打撲したところには湿布を貼った。
こんな姿じゃ、流石に学校へはいけない。
俺は、昔から殴られたり、することがしょっちゅうあった。
だけどそれは、最近になって更に増した。
もう高二なのに。
俺は、逆らえない。
幼い頃、植え付けられた恐怖が逆らえないと言っているのだ。
俺は、父親のストレスをぶつけられる場所となっていた。
辛いとか、今さら感じないけど、痛いのはやはり良いものではない。
「もう、大丈夫ですよ」
そう微笑んだ美樹の顔を見ると、胸が締め付けられるようだ。
お前は、あいつにそっくりだから。
俺のせいで、死んでしまった、俺の最愛の人。
「わっ……な、直人様?」
身体が勝手に動いていた。
気がつくと俺は、美樹を抱き締めていた。
「似すぎなんだよ、お前ら……」