【短】匂いの記憶
匂いの記憶



「この本、懐かしいなぁ」




引越しを来週に控え、大量にある本を整理していると。






あたしが大好きだった匂いがほのかに残る本が出てきた。







大好きだった彼の香水の匂い。






大学のサークルが一緒だった彼。




彼はいつも同じ香水を使っていた。




香水だけじゃない、部屋の中も同じ匂いのするお香が焚かれて。




サークルのみんなで遊びに行った彼の部屋からの帰り。






自分の服に移ったその匂いに、またドキドキしていた。



< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop