珈琲の香り
まずはお店の買い物を済ませちゃおう。

手元のメモを見ると…


「レタスと…キュウリと…トマトと…」


野菜以外にも、細々とした指示が書いてある。

中にはカップラーメンなんてものもあって、完全に公私混同。

しかも、メーカー指定…



「これじゃ買い出しじゃなくて、お遣いだよ。まったく…」



店内をウロウロしながら、メモの物をカートに入れていく。

あれだけ暑かったのに、今は寒いくらい。

気を付けないと、風邪引いちゃうな……


そんなことを思いながら、急ぎ足で店内を回る。


しかし……


「女の子が持つには多すぎじゃない!」


すでにカートの中は一杯で、夕飯の材料を買って帰る余裕がない。


「……いいか。帰り道だし……」


諦めて帰ろう……

このあと、パン屋にも寄らなきゃいけないし。


私はパンパンになったカートを押して、レジへ向かった。


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