珈琲の香り
嬉しいけど、期待……しちゃいそう……


「…土方。今日はもういい」

「まだ混んでますけど……」

「…蒼と行け」


…何か……機嫌悪い?

仕事中にボーッとしてたからかな……?


ま、不機嫌な顔はいつもの事か。


「じゃあ…午後は課題があるので来れないので……また明日」

「…ああ」

「じゃあ、僕もコーヒーいらなーい。…行こう?樹」




……蒼くんと学校行くなんて、夢みたい……

しかも、迎えに来てくれるなんて……


やっぱりこれって、夢?

夢だよね?絶対……


そう思って、ほっぺをつねってみたら


「痛っ!」


夢じゃなかった……


夢じゃなくて、ちゃんと現実で、隣に蒼くんが歩いてる。


ああ神様ー!ありがとうございます!

蒼くんの隣を歩かせてくださって…ありがとうございます!


神様に感謝してたら、すごーく真剣な声の蒼くんが聞こえた。



「…――樹。話、あるんだけど……」

「ふぇ?」

「僕と……付き合ってくれないかな……?」

「……はい………?今、何と…………?」


神様……感謝しすぎて幻聴まで聞こえてきましたよ。

幻聴は……あんまり嬉しくないかも……
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