珈琲の香り
好きな人に“好きだ”って言われて、その人と手を繋いでる。

これって奇跡だよね!

幸せって、あるんだね。

……昨日までは友達でいられることに満足してた。

でも、今はその人と手を繋いでる。“好きだ”って言ってもらえる。

前の彼の時みたいに“何か違う”って言われないようにしないと……


「…――樹。大好きだよ」

「――!」


誰もいない廊下で、そっと蒼くんが囁く。

そんなことに慣れてない私は、どんな顔をしていいのかわからない。

顔が熱っていく。

まともに蒼くんの顔を見れない。



砂糖をたっぷりと入れたカフェ·オ·レのような甘い日々は、今日始まったばかり……




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