先輩、好きです


「猫…飼える?」


低めの声が私に話しかけてくる。


「え…は、はい…」


私は小さく返事をした。

お母さんと一緒に猫を飼いたいと考えてたから。


「こいつ…頼むよ」


男の人は抱えていた子猫を私に抱かせた。

子猫は私を見上げると、みゃあと鳴く。


思わず笑顔になっていると、男の人の方から安心したようなため息が聞える。


「…ありがとう…」


「……え」



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