先輩、好きです
「あの…それじゃあ…」
「明日はお弁当持って来なよ」
「は…い………へ?」
歩き出そうとしていた私の足はつい止まってしまった。
お…お弁当?
状況がまったく理解できていない私に先輩が近づく。
そして、私のおでこに向かって指をさしたかと思うと
「…わっ……」
ツンッと結構な勢いで押されて、体がよろけた。
「俺ばっか話して…里中さんずるくない?」
「ずるい…?」
ときどき先輩はこうして子どもっぽい表情をする気がする。
その度、私の心拍数が上がっているんじゃないだろうか。