先輩、好きです


「あの…それじゃあ…」


「明日はお弁当持って来なよ」


「は…い………へ?」


歩き出そうとしていた私の足はつい止まってしまった。


お…お弁当?


状況がまったく理解できていない私に先輩が近づく。


そして、私のおでこに向かって指をさしたかと思うと


「…わっ……」


ツンッと結構な勢いで押されて、体がよろけた。


「俺ばっか話して…里中さんずるくない?」


「ずるい…?」


ときどき先輩はこうして子どもっぽい表情をする気がする。

その度、私の心拍数が上がっているんじゃないだろうか。


< 54 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop