桜が求めた愛の行方
『ゆうと、苦しいよ』
『無理っ、動けない』
そう言いながら、彼はごろんと
寝返りを打つと私を胸に乗せた。
『ったく、おまえのせいで……
こんなに我を忘れたのは初めてだぞ、
無理させてないか?』
『……へいき』
そんな事より恥ずかしさの方が
上回っているから、一刻も早くバスルームへ
消えたかった。
『どした?』
さくらが起き上がろうとすると、
腰に手を回されて戻される。
『だって……あんな事をするつもりは……』
『嘘だろ?今さら恥ずかしがるのか?』
勇斗が心底おかしそうに笑うから
さくらは余計に恥ずかしくなって、
隠れるように丸くなった。
『そんな反応されてたら、
永遠にここに閉じ込めておきたくなる』
ぎゅっと抱きしめられて、上向かせられると
ちゅっと額にキスされた。
『なあ、さくら?』
甘やかな声に少し嫌な予感がする。
こういう声は、たいてい意地悪な事を
考えている時だから。
『なに?』
『どうしてこの部屋にいるんだ?』
ほら、やっぱり!
『わかってるくせに』
『さーくらちゃん』
腕を引き上げられて、目線を合わせられる。
催促する甘い微笑みに、口を尖らせた。
『部屋を間違えたの!』
言った途端に、勇斗が爆笑した。
『なっ、なに?!』
『俺の奥さんは素直じゃない時が可愛いんだ』
『何か変なものでも食べたんじゃない?』
『さっき食べたのはこれだけど?』
勇斗の手が胸を持ち上げた。
『もぉ!馬鹿!』
『ああ、俺は本物の馬鹿なんだと』
『なにそれ?』
『蒼真に説教されただけだよ……』
『無理っ、動けない』
そう言いながら、彼はごろんと
寝返りを打つと私を胸に乗せた。
『ったく、おまえのせいで……
こんなに我を忘れたのは初めてだぞ、
無理させてないか?』
『……へいき』
そんな事より恥ずかしさの方が
上回っているから、一刻も早くバスルームへ
消えたかった。
『どした?』
さくらが起き上がろうとすると、
腰に手を回されて戻される。
『だって……あんな事をするつもりは……』
『嘘だろ?今さら恥ずかしがるのか?』
勇斗が心底おかしそうに笑うから
さくらは余計に恥ずかしくなって、
隠れるように丸くなった。
『そんな反応されてたら、
永遠にここに閉じ込めておきたくなる』
ぎゅっと抱きしめられて、上向かせられると
ちゅっと額にキスされた。
『なあ、さくら?』
甘やかな声に少し嫌な予感がする。
こういう声は、たいてい意地悪な事を
考えている時だから。
『なに?』
『どうしてこの部屋にいるんだ?』
ほら、やっぱり!
『わかってるくせに』
『さーくらちゃん』
腕を引き上げられて、目線を合わせられる。
催促する甘い微笑みに、口を尖らせた。
『部屋を間違えたの!』
言った途端に、勇斗が爆笑した。
『なっ、なに?!』
『俺の奥さんは素直じゃない時が可愛いんだ』
『何か変なものでも食べたんじゃない?』
『さっき食べたのはこれだけど?』
勇斗の手が胸を持ち上げた。
『もぉ!馬鹿!』
『ああ、俺は本物の馬鹿なんだと』
『なにそれ?』
『蒼真に説教されただけだよ……』