桜が求めた愛の行方
『……ったく、おまえほど俺を
懐柔できる女は他にいないよ』
『本当に?!』
さくらは、きらきらと輝かんばかりの
笑顔で勇斗を見上げた。
『あーーそれは駄目だ』
『え?なにが?』
『おまえのその笑顔、
その顔をされたら抑えられなくなる』
『そうなの?
私はバスルームまで運んでって
言おうと思ったのにな』
さくらがわざとらしく瞳をしばたかせると、
みるみるうちに彼の顔が満面の笑みに
変わった。
『そう言うことなら喜んで』
『きゃっ』
さっきまで動けないって言ってたくせに、
素早く立ち上がると軽々と抱き上げられた。
『おまえ、俺に甘すぎだろ?』
『今さら気づいたの?』
『おまえのが、俺よりずっと馬鹿だ』
『ひどい……あっ……』
熱い唇が落とされた。
『もう絶対に離さない』
『うん……』
『辛い思いさせた分これから目一杯
償うつもりだから覚悟しておけよ』
『えっ!』
そう言うと勇斗はバスルームへ向かった。