桜が求めた愛の行方

17.ことの顛末


『いつまでそうしてるつもり!!』

美那の金切り声が部屋に響き渡った。

勇斗はさくらを抱いたまま、彼女の方へ
体を向ける。

『これはおまえ一人でやっている事か?』

『そっそうよ……』

美那を睨む勇斗の鋭い瞳をみれば、
誰もが本能的な危機を感じるだろう。

『嘘をつくな!!
 三年も前に別れた男に今さら嫌がらせ
 をしてるのは誰の命令だ?
 いや違う、そもそもおまえが俺に
 近づいたのも理由があったんだろ?!』

『何の事かしら?
 ちょっと!いい加減、離してくれる?!』

化けの皮が剥がれたとは、まさにこの事を
いうのだと、ニールは珍しいものを見る様に美那を見下ろして、腕を離した。

『私はあなた達みたいに、暇人じゃない
 のよ!!それに勇斗、あなたこんなこと   して、メインモデルの私を怒らせたら
 契約がどうなるかわかっているの
 でしょうね?』

『どうなろうと、かまわないね』

勇斗のしれっとした態度に、美那の方が
面食らった。
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