桜が求めた愛の行方
『さくら』
唇を離すと、ぞくぞくするような低い声で
呼ばれる。
『え…あっダメっ』
『もっと乱れて』
下ろされると、そのまま向きを変えられた。
さっき調理に使った道具を目の前に
シンクに乱れた声が響いている。
『もう……』
『わかってる』
また台の上に倒された。
『ダメっ……』
夢中で彼にしがみついて、意識を手放した。
『さーくら?大丈夫か?』
ハッと見ると彼は服を着ているのに、
自分は胸がはだけて、スカートが上がった
半裸状態で、いつものキッチンにいた。
『やっ!馬鹿!』
服もろくに直さず飛び出した。