桜が求めた愛の行方
7.甘いひととき
運命とはなんて残酷なものなの?
軽井沢にきて一週間、さくらはすでに
限界にきていた。
私はあの人たちと親子になるつもりは
絶対にないのよ!!
勇斗に面と向かって叫べたらどんなに
いいだろう。
このまま彼が私たちの仲を取り持とうと
するなら、私は東京に帰ろう。
理由なんて、何とでもなるわ……
もう!それができるならば、
始めからここには来ていなかったのよ
あーこんな時は思いっきり凝った料理を
作ったら少しは気が晴れるのに。
そうだ!厨房を借りよう。
今は改装工事中で、まかないや新しい
メニュー作りにしか使っていないんだった。
邪魔にならないように端の方なら、
大丈夫よね。
ううん、ここは権力を行使してでも
使わせて貰うわ!