桜が求めた愛の行方
店に入る前にあれだけぐずぐずしたにも
かかわらず、さくらは核心をつくことに
怖じ気づいた。
私は藤木要人の娘よ。
そうでしょ?ねぇパパ!?
私がしようとしている事は間違っていない?
天国でパパが傷ついていない?
テーブルの端に仄かな灯りをともす
小さめのガレランプが瞳に入った。
桜模様の綺麗な細工が何故かザ・トキオの
パパが植えた桜と重なって、
溢れそうになる涙を飲み込んだ。
二人とも馬鹿よ……
どこもかしこも、親の想いが溢れているのを
さくらは全身で受け止めた。