桜が求めた愛の行方
7.マリッジブルー?!
ドンドン!!と荒っぽく扉が叩かれた。
微睡んでいた勇斗は、
しつこく何度も鳴らされるチャイムに
仕方なく起き上がった。
『誰だよ、こんな時間に!!』
慌てて扉に向かう途中で反り返るように
デザインされた椅子の足に爪先をぶつけ、
母さんが目を剥くような悪態をつく。
『ってーな!何なんだよ!』
その間もチャイムは鳴らされている。
『僕だ、兄さん、開けて!!』
『真斗?!』
扉を開けたとたん、
鼻息荒い真斗は人差し指を突きつけて、
俺を驚かせた。
5つ下の弟は、頭から湯気が出そうなほど
怒っていた。
『いいかい、兄さん』
その仕草が母そっくりで、
思わず《はい》と答えそうになって、
咳払いで誤魔化した。
『なんだ?』
『兄さんがどういうつもりで、
さくねえと結婚するのかなんて、
僕には関係ないよ!!』
真斗はイライラと
その場を行ったり来たりしている。
『だけどね、これ以上さくねえの事を
放っておくつもりなら、僕にだって
考えはあるからな!』
『それはどういう意味だ?』
兄の刺を感じて、真斗は少し慌てた。
『勘違いしないでよ、
僕は二人の幸せを願っているよ』
『真斗、俺は疲れている。用件は何だ?』
問いかけたとたん、真斗はまた怒りだした。
『兄さんは僕が毎日どれだけ
お母さんの愚痴を聞かされているか
なんてこれっぽっちも知らないだろうね!
だから婚約者を放って呑気に
寝ていられるんだ!!』
『のん……』
言いかけた俺を、真斗は片手を挙げて
ひと睨みで黙らせた。
弟はいつの間にそんな生意気な仕草が
板についた?
『だいたい、さくねえもさくねえだよ!
どうして兄さんに不満のひとつも言わず
なんでも周りの言いなりなんだ?』
『あいつが?……それは知らなかった、
というか具体的に俺は何をしていなくて、
あいつは何をしないんだ?』
真斗が大袈裟に深いため息をついた。
微睡んでいた勇斗は、
しつこく何度も鳴らされるチャイムに
仕方なく起き上がった。
『誰だよ、こんな時間に!!』
慌てて扉に向かう途中で反り返るように
デザインされた椅子の足に爪先をぶつけ、
母さんが目を剥くような悪態をつく。
『ってーな!何なんだよ!』
その間もチャイムは鳴らされている。
『僕だ、兄さん、開けて!!』
『真斗?!』
扉を開けたとたん、
鼻息荒い真斗は人差し指を突きつけて、
俺を驚かせた。
5つ下の弟は、頭から湯気が出そうなほど
怒っていた。
『いいかい、兄さん』
その仕草が母そっくりで、
思わず《はい》と答えそうになって、
咳払いで誤魔化した。
『なんだ?』
『兄さんがどういうつもりで、
さくねえと結婚するのかなんて、
僕には関係ないよ!!』
真斗はイライラと
その場を行ったり来たりしている。
『だけどね、これ以上さくねえの事を
放っておくつもりなら、僕にだって
考えはあるからな!』
『それはどういう意味だ?』
兄の刺を感じて、真斗は少し慌てた。
『勘違いしないでよ、
僕は二人の幸せを願っているよ』
『真斗、俺は疲れている。用件は何だ?』
問いかけたとたん、真斗はまた怒りだした。
『兄さんは僕が毎日どれだけ
お母さんの愚痴を聞かされているか
なんてこれっぽっちも知らないだろうね!
だから婚約者を放って呑気に
寝ていられるんだ!!』
『のん……』
言いかけた俺を、真斗は片手を挙げて
ひと睨みで黙らせた。
弟はいつの間にそんな生意気な仕草が
板についた?
『だいたい、さくねえもさくねえだよ!
どうして兄さんに不満のひとつも言わず
なんでも周りの言いなりなんだ?』
『あいつが?……それは知らなかった、
というか具体的に俺は何をしていなくて、
あいつは何をしないんだ?』
真斗が大袈裟に深いため息をついた。