桜が求めた愛の行方
車は自由が丘のコインパーキングで止まった。

彼が降りて、助手席側に回ってきた。

『少し歩く』

そう言って、左手を差し出す。

手をつなぐってことなのよね?

問いかけるのが恥ずかしくてさくらは
うつむいたまま右手を出した。

これはどういうことなの?

急な展開が気持ちを混乱させる。

それでいて心が甘く浮き立つのを止められない

私たちは、いずれ離婚するのよね?

違うの?

さくらは、繋がれた手をじっと見つめながら
彼に着いていった。



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