桜が求めた愛の行方

ベッドに運ばれて、やさしく降ろされると
すぐに熱いキスが繰り返される。

夢中でそれに応えているうちに、
服は全て脱がされていた。
いったん離れた勇斗が着ていたものを脱ぐと、さくらの上に戻ってくる。

『いいんだな?』

怖いくらいに熱く見つめられて、
全身に震えが走った。
了承の意味を込めて逞しい胸に
そっと手をおくと、
ドクドクと心臓の音が伝わってくる。
彼も緊張するのだろうか?

『さくら』

どうしてだろう……
名前を呼ばれて泣きたいような
気持ちになるのは。
それを感じとった彼が、慰めるように
瞼にキスをくれた。

『綺麗だ』

彼のサラサラの前髪をかきあげると、
その手はとられ片手で頭上に
拘束されてしまった。

情熱に煙る瞳が、覚悟しろといっている。

『嫌な事があったら言ってくれ』

熱い唇に腰が跳ねるように浮いてしまい
夢中で彼にしがみついた。

言葉にならない欲求が激しく彼を求め、
それに応える波にさらに激しく
追い詰めてられていく。

これ以上は頭がおかしくなってしまう
その瞬間、高く弾け飛んだ。

< 55 / 249 >

この作品をシェア

pagetop