桜が求めた愛の行方
『可愛いよ、さくら』
さくらは瞳を開けて、恥ずかしそうに
微笑んだ。
『ゆうと……』
『ん?』
『好きって言っても……困らない?』
ああ……もう降参だ……
愛しさが押し寄せるうねりのように
こみ上げてくる。
『もちろんだ、何度でも言ってくれ』
『ゆうと…好きよ』
『俺も好きだ』
さくらを誰にも渡すものか!
今さらだけど、前言を撤回しよう
『さくら』
視線を合わせて、
彼女の瞳に自分が写るのを待った
『結婚しよう』
驚いた瞳が潤んでいく
『とりあえず?』
さくらは微笑みながら、
何度も瞬きして涙を払っている
俺も笑いながら溢れた涙をキスで拭った。
『いいや、永遠に、だ』
誓うように口付けた。