桜が求めた愛の行方
『うーーん!やっぱりさくねえの
 クロワッサンは最高だよ!!』

『ありがとう。
 ほんと、朝からよく食べるわね』

『スクランブルおかわり』

『はい』

『今朝は兄さん不機嫌だったね?』

含み笑いをした言い方に、さくらの顔が赤くなった。

『そっそう?』

昨夜はまーくんのお蔭で、辛うじて彼に
悟られずにすんだ。

眠れない夜を過ごして、
まだ暗いうちにベッドを出ようとしたら、
彼に求められてしまった。

私の拒否をどう思ったかしら……

『ねえ?そろそろ話してくれてもいいん
 じゃない?』

『あ、あのね……一晩寝たら実は大したこと  ではないかなって……』

『んっんー!僕を巻き込むのはやめよう
 とか今さらだから』

真斗はクロワッサンを口に入れて
指を振った。

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