桜が求めた愛の行方
『勇斗、聞いて。
彼は確かに私を援助してくれた、
でもそれはあなたが思っていたのとは
違うのよ。信じてもらえなくても仕方が
ないけれど、彼は単純に私の夢を応援して くれただけなのよ?』
『ふんっ詭弁も大概にしとけ』
吐き捨てるように言って立ち上がった。
これ以上バカらしい話し合いを
続けるつもりはない。
『詭弁なんかじゃないわ!!』
同じく立ち上がった彼女は、持っていた
バッグを俺に向かって投げつけた。
『何をするっ!おまえ………』
美那が涙を流しているのを見て、
その先の言葉を失った。
『一流モデルになりたいと言った私の話を
適当に聞き流していたのは
あなたじゃない?!
私は血の滲むような……ううん、
血を吐くほどの努力をしてやっと
今の地位を得たのよ!!
それもすべてはあなたに相応しい女に
なるために……』
『俺がいつそんな事を望んだ?』
『勿論、あなたは望んでなんかなかった でしょうね、住む世界の違う私を
シンデレラの様に扱って自己満足して
いたもの!』
『なんだと!?』
『欲しいと言えば何でも買ってくれる
王子様は私に何を望んでいたの?
私は最初から全部本気だったのよ』
『馬鹿な……俺も本気で君を愛していた』
『私もよ……私はあなたを待ったし、
あなたにも待って欲しいと言ったはずよ』
『連絡先も告げずに行った恋人をどう
待てと言うんだ?』
『わかってる……だから…だけど、
まさかあの娘と結婚するなんて……』
『美那…始めに言った……
もう、すべては今さらなんだ』
『私は諦めないわ、この3年の努力を
あんな偽物の婚約者だった子に
奪われるつもりはないわ!!』
『さくらはもう偽物じゃない!』
『それはどうかしら?』
『おまえがどう思おうと勝手だ』
『勇斗、お願いもう一度よく考えて見て
私達の間にあったものを……』
何も見つからない、と言おうとした口は
美那の唇に塞がれた。
ハッとして押し返そうとする前に
彼女は離れた。
『私の気持ちに偽りはなかったわ』
そう言うと、美那はバッグを拾い上げ
一度も振り返らずにテラスを出て行った。
勇斗に見せない顔はにんまりと笑っている
その理由のひとつが反対側の柱に
身を隠すようにしていたさくらの姿が
しっかり見えていたから。
もちろん、勇斗はそれに気づいていない
彼は確かに私を援助してくれた、
でもそれはあなたが思っていたのとは
違うのよ。信じてもらえなくても仕方が
ないけれど、彼は単純に私の夢を応援して くれただけなのよ?』
『ふんっ詭弁も大概にしとけ』
吐き捨てるように言って立ち上がった。
これ以上バカらしい話し合いを
続けるつもりはない。
『詭弁なんかじゃないわ!!』
同じく立ち上がった彼女は、持っていた
バッグを俺に向かって投げつけた。
『何をするっ!おまえ………』
美那が涙を流しているのを見て、
その先の言葉を失った。
『一流モデルになりたいと言った私の話を
適当に聞き流していたのは
あなたじゃない?!
私は血の滲むような……ううん、
血を吐くほどの努力をしてやっと
今の地位を得たのよ!!
それもすべてはあなたに相応しい女に
なるために……』
『俺がいつそんな事を望んだ?』
『勿論、あなたは望んでなんかなかった でしょうね、住む世界の違う私を
シンデレラの様に扱って自己満足して
いたもの!』
『なんだと!?』
『欲しいと言えば何でも買ってくれる
王子様は私に何を望んでいたの?
私は最初から全部本気だったのよ』
『馬鹿な……俺も本気で君を愛していた』
『私もよ……私はあなたを待ったし、
あなたにも待って欲しいと言ったはずよ』
『連絡先も告げずに行った恋人をどう
待てと言うんだ?』
『わかってる……だから…だけど、
まさかあの娘と結婚するなんて……』
『美那…始めに言った……
もう、すべては今さらなんだ』
『私は諦めないわ、この3年の努力を
あんな偽物の婚約者だった子に
奪われるつもりはないわ!!』
『さくらはもう偽物じゃない!』
『それはどうかしら?』
『おまえがどう思おうと勝手だ』
『勇斗、お願いもう一度よく考えて見て
私達の間にあったものを……』
何も見つからない、と言おうとした口は
美那の唇に塞がれた。
ハッとして押し返そうとする前に
彼女は離れた。
『私の気持ちに偽りはなかったわ』
そう言うと、美那はバッグを拾い上げ
一度も振り返らずにテラスを出て行った。
勇斗に見せない顔はにんまりと笑っている
その理由のひとつが反対側の柱に
身を隠すようにしていたさくらの姿が
しっかり見えていたから。
もちろん、勇斗はそれに気づいていない