桜が求めた愛の行方
『でもっ』

『さくら、僕はパリで全てを聞いた時に、
 君の幸せを心から願っている一人として
 なんでも協力すると言ったはずだよ?』

『ニール』

『今は彼を信じるんだ』

先日の真斗の言葉があたまを過る。

ーやっと幸せになれたのに
 それを自分から壊すような事するの
 やめなよー

『………わかったわ』

よしよしと頭を撫でられた。

『さっ、そうと決まったら今日はとことん
 一緒に癒されよう!』

『なに?』

『スパに行って一緒にディナーだよ!』

『えっ?』

『あっ、嘘だろっ!!あぁ……』

『どうしたの?』

『予約の時間が……』

ニールがうちひしがれた顔でこちらを見る

『わっ、わかったから!一緒に行くわよ』

今はニールのいう通り、勇斗の言葉を信じて
しっかりするべきなのかも知れない

『ベイビー!急いで!』

『わかったわよ』

左手の指輪に触った

愛してる……
その言葉の重さを今は考えないようにした

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